【FreeCAD使い方講座】Assembly4ワークベンチで簡単な歯車の噛み合わせアニメーションを作る
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2024/09/20

以前の回で、
今回はもう少し話を発展させて、
実際にはFreeCADのアニメーションでは、衝突などの物理現象をシミュレーションしているわけではないので、部品の位置や位相を"それっぽく見える"ようにパラメータを手動で調整をする必要があります。
特に回転運動は中心軸の位置や、部品の初期座標などがあやふやだと、アニメーションの結果がうまく行かなくなることが多いので、前もってしっかりと理解を深めておきましょう。
歯車の動くアニメーションを作成する
以降では、前回説明した
Assembly4ワークベンチの使い方に慣れていない場合には、一度そちらの内容から着手してみてください。
歯車部品のソリッドモデルを作成する
歯車の3Dモデルを簡単に作成してくれる
545x249

アニメーション用の変数・ボーン(スケッチ)・LCSを作成する
Assembly4ワークベンチでアニメーションを作成する手順は
基本操作が良く思い出せない方はまずそちらをご覧ください。
まず
[Assembly4]
[New Assembly]
279x295

続いて
Variables(変数)
ここでも回転角度用に
theta
482x255

次にアセンブリオブジェクトにスケッチを適当な名前で1つ追加します。
このスケッチは、主歯車の回転用にします。
なお、今回はより複雑なアニメーション作成を念頭に、スケッチを複数に分離し、別々のボーンとして管理します。
とはいえアニメーションが複雑でないならば、スケッチを分離する必要もないので、1つのスケッチにまとめて複数のボーンをまとめるやり方のほうが一般的です。
では、スケッチの原点座標がアセンブリオブジェクトのローカル座標系(LCS)と一致させるため、アタッチメントで
LCS_Origin
765x407

ちなみに、複数のスケッチを作成する場合でも、スケッチには必ずアセンブリオブジェクトの原点(
LCS_Origin
というのは、アセンブリオブジェクトに紐付けされているVariablesを
LCS_Origin
そのスケッチに、また別のLCSをリンクさせ、さらにそのLCS経由で部品をスケッチの動きと連動させた結果がアニメーションになります。
ここらへんの仕組みがちょっとややこしいですが、Assemby4ワークベンチによるアニメーション作成では
話を戻して、スケッチを編集し、回転用のボーンとなる直線を1つ描き、角度拘束で変数
theta
842x312

この時点ではアニメーション用のボーンは一つですが、思ったように回転してくれるかチェックしてみましょう。
796x541

ボーンが期待通りに軸回転していることが確認できれば、部品の配置用に、このスケッチをターゲットにして新しいLCSを追加します。
918x526

LCSには、
ボーンの端点(回転の起点)
ボーン線
なお、FreeCADでのアタッチメントの細かい点に関しては、以前に特集した記事をご覧ください。
次に従属歯車用にスケッチをもう一つ追加します。
こちらのスケッチも先程の主歯車のスケッチと作業的には同じことを繰り返します。
ただし回転軸の座標は異なるので、従属歯車の初期位置をプロパティから読み取って、その値を控えておきましょう。
819x340

続いて、新しく追加したスケッチに適当にボーンとなる直線を描き、回転中心となる端点に先程控えておいた従属歯車の中心座標へ手動で位置拘束を設定しておきます。
766x582

ここでの角度拘束に指定する値は、
18 - Variables.theta
ちゃんと2つの歯車がが相互に反対方向へ軸回転しているのを確認できればアニメーションの骨格付けが完了です。
933x534

あとは、このスケッチにも回転中心点とボーン線を指定し、部品配置用のLCSを新規で追加しておきます。
958x343

アニメーションへボディ(座標付きソリッド)を紐付けする
では、先程の作成したアニメーション用のボーンをターゲットに追加したLCSを使って、各歯車モデルを配置していきます。
Parts
ただし、ソリッドからボディへ変換すると、ソリッドの位置座標はボディのそれに置き換わるため、ソリッドで位置合わせした情報はそこでリセットされてしまいます。
853x579

ということで、Assembly4での部品配置を決める上でも、先程各スケッチの位置から設定したLCSが重要になってきます。
まず主歯車のボディをアセンブリオブジェクトへ挿入します。
1177x534

これで主歯車のボディの座標系と、スケッチに設定した座標系
LCS_1
801x509

同様に、従属歯車のボディの座標系と、もう一つのスケッチに設定した
LCS_2
972x787

早速、アニメーションを実行してみましょう。
334x412

2つの歯車がいい感じで噛み合っているように動いています。
まとめ
今回は部品が連動して動くシミュレーションの基礎的な例題として、2つの歯車が噛み合って動くときのアニメーションを作成する方法を順を追って説明していきました。
今回のテクニックを基礎とすることで、より複雑な動作アニメーションもAssembly4ワークベンチで作ることが可能になります。