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2024/08/19
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「Mesh Remodel」ワークベンチは、STLのようなメッシュに変換済みの3DモデルをFreeCADソリッドへ復元するための操作に特化しています。メッシュモデルから整ったFreeCADソリッドに仕立て直しする作業は、DraftワークベンチとPartワークベンチ、Sketcherワークベンチを切り替えながらコツコツとやることも可能です。ただし、各種ワークベンチを頻繁に切り替えることになるので、これが作業の効率を極端に悪化させてしまいます。「Mesh Remodel」ワークベンチは、メッシュモデルの再構築に使えるツールをひとまとまりした"十徳ナイフ"ようなもので、メッシュモデルからFreeCADオブジェクトへ変換していく機能が集約されています。今回は「Mesh Remodel」ワークベンチの基本的な作業の流れだけを紹介してみます。
基礎からのFreeCAD 三訂版 (I/O BOOKS) FreeCAD入門 FreeCADの使い方 いろんな物を作りながら3DCADを学ぼう!: 3Dプリンターでの印刷も掲載 図面の描き方がやさしくわかる本 Mesh Remodelワークベンチのインストール
Mesh RemodelワークベンチはFreeCADの標準機能ではないので、アドオン・マネジャー
からインストールを行います。メニューバーより[ツール] > [Addon manager]
からインストールしましょう。インストールが完了後、MEsh Remodelワークベンチを立ち上げると、以下のようなツールが使えるようになっているはずです。参考|MeshRemodel Workbench細かいモデルの制御や補助機能が多数用意されていますが、基本的によく使うツールはさほど多くはないでしょう。以降では、簡単なMesh Remodelワークベンチの使い方を紹介していきます。
基礎からのFreeCAD 三訂版 (I/O BOOKS) FreeCAD入門 FreeCADの使い方 いろんな物を作りながら3DCADを学ぼう!: 3Dプリンターでの印刷も掲載 図面の描き方がやさしくわかる本 立方体のSTLをソリッドへ復元する
まずはMesh Remodelワークベンチがどのようなものかを知っていただくために、単純な立方体のメッシュモデルをソリッドへと直します。立方体のSTLモデルをそのまま読み込んでも良いですが、ここでは[Mesh]ワークベンチ > [正立方体]ツール
から立方体のメッシュを作成します。次に[Mesh Remodel]
ワークベンチに切り替え、メッシュモデルを選択し、[Create Points Object]
を適用します。この点オブジェクト(Points Object)
を作成することが、Mesh Remodelワークベンチのスタートになります。点オブジェクトのみ表示させ、フェイス(面)化したい場所の頂点を全て選んで、[Create Polygon]
ツールにかけます。これで囲われた領域へワイヤーが作成されます。この作成されたワイヤーは基本的にFreeCADのワイヤーオブジェクトで、Draftワークベンチでも扱うことができます。Mesh Remodelワークベンチの便利なところは、Draftワークベンチに切り替えすることなく、Draftワークベンチ同様、Upgrade/Downgradeツール
が利用できます。ということで、分離されたワイヤーを全て選んで、Upgradeツール
を1回適用させると、閉領域のワイヤーになります。なお、Downgradeツール
のほうは、UpgradeツールをCtrlキー
を押しながらクリックです。Upgradeツール
をもう一回押すと、フェイス(面)になります。以上の一連の作業が、点オブジェクトから面を作成する手順です。ここから立方体を復元するには、残りの5面をフェイス化し、全ての面を選んでシェルにアップグレードし、さらにソリッドへアップグレードする、ということも可能です。ただ、Mesh RemodelワークベンチにはPartワークベンチの押し出しツールが付属していますので、先程作った1面を押し出したほうが早いです。とりあえず押し出し量を測るために、Create Line
ツールで押し出し方向の1辺の長さ表示させます。測り方としては、ワイヤーのLengthプロパティを見るか、レポートビューの内容を確認します。長さがわかったら、押し出したいフェイスを選択し、Part Solid
ツールを適用します。あとは押出方向と押出量が微調整してOKです。
基礎からのFreeCAD 三訂版 (I/O BOOKS) FreeCAD入門 FreeCADの使い方 いろんな物を作りながら3DCADを学ぼう!: 3Dプリンターでの印刷も掲載 図面の描き方がやさしくわかる本 円錐のSTLをソリッドへ復元する
もう一つ、基本的な図形のSTLからMesh Remodelワークベンチを使ってソリッドへ変換してみます。[Mesh]ワークベンチ > [正多角体]ツール
から三角錐
を選択し、三角錐のメッシュを生成します。Mesh Remodelワークベンチに移り、[Create Points Object]
ツールから点オブジェクト化します。上の頂点の円をフェイス化します。円を閉じてフェイス化したい場合、円周上にある3点を選択し、[Create Circle]
ツールを適用します。次に、下の頂点の円もフェイス化しましょう。と、その前に、パッと見て、どこが底面の最外円の点なのか分かりにくいため、どの点を選択していいか迷ってしまいます。そこで、[Create Coplanar Points Object]
ツールを使って、3点以上で張られる平面に属する点オブジェクトを集めて表示させます。ピックアップしたい点のある同一平面上の点であればどこでもよいので、少なくとも3点を選択し、[Create Coplanar Points Object]
ツールを適用します。これで最外円の円周上の点が選びやすくなりました。ここから底面の円もフェイス化したら、この2つの円でロフト操作を行います。ここでもロフトしようとPartワークベンチに切り替える必要はありません。Mesh Remodelワークベンチに付いているロフトを使います。とりあえずワイヤーにアップグレードさせた円を元に[Subobject Loft]
ツールを適用します。ロフトでフェイス化したものはそのままプロパティからソリッドへ変換できます。あと、これはMesh Remodelワークベンチに限ったことではありませんが、Bスプラインなど曲線をロフトに用いると張られるフェイスの仕上がりが微妙なものがあります。こういったケースのFreeCADのロフトで適用するのはあまりよろしくないので、軸対称を使って、Partワークベンチの[回転]
ツールを使うほうが良いでしょう。
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今回は「Mesh Remodel」ワークベンチの基本的な使い方を簡単に紹介してきました。特に、thingiverseなどの3Dプリント用で公開されているSTLファイルをFreeCADモデルに仕立て直しする場合に、強力なツールになりますので、興味を持たれたら一度使ってみてはいかがでしょうか。