【FreeCAD使い方講座】『Mesh Remodel』ワークベンチを使ってSTLモデルを出来だけ綺麗にソリッドへ復元する
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2024/08/19

メッシュモデルから整ったFreeCADソリッドに仕立て直しする作業は、DraftワークベンチとPartワークベンチ、Sketcherワークベンチを切り替えながらコツコツとやることも可能です。
ただし、各種ワークベンチを頻繁に切り替えることになるので、これが作業の効率を極端に悪化させてしまいます。
「Mesh Remodel」ワークベンチは、メッシュモデルの再構築に使えるツールをひとまとまりした"十徳ナイフ"ようなもので、メッシュモデルからFreeCADオブジェクトへ変換していく機能が集約されています。
今回は「Mesh Remodel」ワークベンチの基本的な作業の流れだけを紹介してみます。
Mesh Remodelワークベンチのインストール
Mesh RemodelワークベンチはFreeCADの標準機能ではないので、
アドオン・マネジャー
メニューバーより
[ツール] > [Addon manager]
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インストールが完了後、MEsh Remodelワークベンチを立ち上げると、以下のようなツールが使えるようになっているはずです。
608x618

細かいモデルの制御や補助機能が多数用意されていますが、基本的によく使うツールはさほど多くはないでしょう。
以降では、簡単なMesh Remodelワークベンチの使い方を紹介していきます。
立方体のSTLをソリッドへ復元する
まずはMesh Remodelワークベンチがどのようなものかを知っていただくために、単純な立方体のメッシュモデルをソリッドへと直します。
立方体のSTLモデルをそのまま読み込んでも良いですが、ここでは
[Mesh]ワークベンチ > [正立方体]ツール
289x354

500x467

次に
[Mesh Remodel]
[Create Points Object]
705x658

この
点オブジェクト(Points Object)
点オブジェクトのみ表示させ、フェイス(面)化したい場所の頂点を全て選んで、
[Create Polygon]
1118x478

これで囲われた領域へワイヤーが作成されます。
この作成されたワイヤーは基本的にFreeCADのワイヤーオブジェクトで、Draftワークベンチでも扱うことができます。
Mesh Remodelワークベンチの便利なところは、Draftワークベンチに切り替えすることなく、Draftワークベンチ同様、
Upgrade/Downgradeツール
ということで、分離されたワイヤーを全て選んで、
Upgradeツール
550x392

なお、
Downgradeツール
Ctrlキー
Upgradeツール
701x451

以上の一連の作業が、点オブジェクトから面を作成する手順です。
ここから立方体を復元するには、残りの5面をフェイス化し、全ての面を選んでシェルにアップグレードし、さらにソリッドへアップグレードする、ということも可能です。
ただ、Mesh RemodelワークベンチにはPartワークベンチの押し出しツールが付属していますので、先程作った1面を押し出したほうが早いです。
とりあえず押し出し量を測るために、
Create Line
972x761

測り方としては、ワイヤーのLengthプロパティを見るか、レポートビューの内容を確認します。
長さがわかったら、押し出したいフェイスを選択し、
Part Solid
531x534

あとは押出方向と押出量が微調整してOKです。
502x388

円錐のSTLをソリッドへ復元する
もう一つ、基本的な図形のSTLからMesh Remodelワークベンチを使ってソリッドへ変換してみます。
[Mesh]ワークベンチ > [正多角体]ツール
三角錐
294x361

Mesh Remodelワークベンチに移り、
[Create Points Object]
684x468

上の頂点の円をフェイス化します。
円を閉じてフェイス化したい場合、円周上にある3点を選択し、
[Create Circle]
1096x477

次に、下の頂点の円もフェイス化しましょう。
と、その前に、パッと見て、どこが底面の最外円の点なのか分かりにくいため、どの点を選択していいか迷ってしまいます。
415x513

そこで、
[Create Coplanar Points Object]
ピックアップしたい点のある同一平面上の点であればどこでもよいので、少なくとも3点を選択し、
[Create Coplanar Points Object]
1024x500

これで最外円の円周上の点が選びやすくなりました。
ここから底面の円もフェイス化したら、この2つの円でロフト操作を行います。
ここでもロフトしようとPartワークベンチに切り替える必要はありません。
Mesh Remodelワークベンチに付いているロフトを使います。
とりあえずワイヤーにアップグレードさせた円を元に
[Subobject Loft]
800x380

ロフトでフェイス化したものはそのままプロパティからソリッドへ変換できます。
701x469

あと、これはMesh Remodelワークベンチに限ったことではありませんが、Bスプラインなど曲線をロフトに用いると張られるフェイスの仕上がりが微妙なものがあります。
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こういったケースのFreeCADのロフトで適用するのはあまりよろしくないので、軸対称を使って、Partワークベンチの
[回転]
まとめ
今回は「Mesh Remodel」ワークベンチの基本的な使い方を簡単に紹介してきました。
特に、thingiverseなどの3Dプリント用で公開されているSTLファイルをFreeCADモデルに仕立て直しする場合に、強力なツールになりますので、興味を持たれたら一度使ってみてはいかがでしょうか。