【FreeCAD使い方講座】Draftベンチを活用した寸法測定のすゝめ


2021/06/03
蛸壺の中の工作室|【FreeCAD使い方講座】Draftベンチを活用した寸法測定のすゝめ

FreeCADで寸法を測りたいときに測定のやり方は何通りかありますが、2次元図面のときと比べて、3次元図面に寸法を見やすく書き込みにくいと感じてしまいます。

有償の産業向け3次元CADでは寸法の記入機能がしっかりとしているソフトがほとんどですが、FreeCADは無償ということもあり寸法測定・表示機能の完成度は比較的緩い気がします。

よってFreeCADで見やすい寸法付きの3次元図面を作成するには寸法記入規則を決めておかないと、野放図に寸法を書き込みまくっていくとカオスな感じになります。

今回は著者の使っている3次元寸法の独自ルールで、Draftベンチの正射影投影式を活用するやり方を解説してみます。


Draftベンチの寸法記入法

では早速Draftベンチでの寸法記入方法の基本的な操作の話をします。

ワークプレーン

Draftベンチの操作でもっとも重要なのが、Work Plain(ワークプレーン)です。

Draftベンチで記入される寸法は、設定中のアクティブなワークプレーンへの2次元正射影として記入されます。

ワークプレーンとはその名の通り、点・線や寸法が描かれる平面のことで、以下のような上部のツールバーの中のアイコンからワークプレーンを選択することもできます。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

ここでは
XY(上面図)/XZ(正面図)/YZ(側面図)/表示/自動の5種類のワークプレーンが設定できます。

            XY(上面図):
    XY平面(z=0)をワークプレーンに設定する。
    ただし、オフセット値でz=[オフセット量]の平面も指定できる
XZ(正面図):
    XZ平面(y=0)をワークプレーンに設定する。
    ただし、オフセット値でy=[オフセット量]の平面も指定できる
YZ(側面図):
    YZ平面(x=0)をワークプレーンに設定する。
    ただし、オフセット値でx=[オフセット量]の平面も指定できる
表示:
    現在ビュー表示において正面となっている平面をワークプレーンで採用する。
    正面-奥行き方向の位置は寸法引き出し位置で自動設定される
自動:
    デフォルトの設定。
    寸法の引き出し位置から寸法の描かれるワークプレーンが全てお任せで自動割りされる
        
デフォルトではシステムが自動で点や線から自動でワークプレーンを判別してくれますが、寸法線の場合には描く平面をあらかじめ決めておくと良いかもしれません。

例えば、ワークプレーンをXY平面(z=0)で固定したい場合には、
[平面選択]からXY(上面図)をオフセット量0で選択して、上部のツールボックスのアイコンがTopに変わりますので、再度このアイコンをクリックするとワークプレーンが更新し、固定することができます。

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寸法線の作成においてはワークプレーンが自動か固定は適宜切り替えて作業をすることがポイントになります。

寸法記入

既に寸法線を描きたいワークプレーンを正しく設定しているならば寸法記入自体の操作は至ってシンプルです。

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Shiftキーを押しながらマウスドラックすることで2番目の測定点・辺を水平垂直に移動することが出来るため便利です。

寸法線は個別に細かいスタイリングも可能で、寸法線オブジェクトを選択して、左側のツリーペインにあるプロパティボックスから色々とパラメータを編集することで思い通りの寸法線に仕上げることができます。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

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ということでFreeCADでのDraftベンチの寸法記入が、2次元図面に寸法する感覚と一番近しいのではないかと思います。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

寸法線オブジェクトは1つ1つ独立しているため、大量に書き込んだ場合にはワークプレーン毎にグループ分けして整理しておくと、後々どの寸法線か識別しやすくなります。

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グループは左のツリーペインから親要素を右クリックすることで下の階層に作成できます。グループを作成したら、まとめたい寸法オブジェクトを選んでドラッグ&ドロップしてまとめることができます。


おまけでPartベンチとPart Designベンチの寸法測定

ここからは比較の話としてPartベンチとPart Designベンチでの寸法測定方法をざっと紹介します。

Part Designベンチ

Part Designベンチでも寸法を測定することも可能です。むしろ寸法測定というよりは、距離測定と呼ばれている機能のようで、空間寸法を測る場合の簡易測定に使うことが多いと思います。

その名の通りソリッド上の2点に対して、空間距離を確認することができます。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

二つのソリッドの空間距離を確認したい場合には、使い勝手もさほど悪く無い気がします。

2点を選ぶ際には一応端点に自動でスナップしてはくれますが、感度が高いのか選択がずれると、数ミクロン単位で表示寸法もずれるので、細かい数値が気になる方は操作中に結構歯がゆい思いをするかもしれません。

距離測定後はDistanceオブジェクトとして、左のビューテーブルから引き出し位置とフォントを編集することも可能です。

Partベンチ

Partベンチでは寸法測定ツールが提供されており、メジャーのようなアイコンを押すことで、寸法測定モードに切り替わり、連続的に欲しい寸法をスピーディーに記入していくことができます。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

このツールは測定した距離を以下のような
3D表示デルタ表示の2つのモードで表示してくれます。

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3D表示が通常の空間寸法の表示モードで、デルタ表示はその空間寸法をXYZ方向に成分分解して表示してくれるモードです。

機能的には寸法を書き入れるのも連続にできて早いし、軸方向に成分分解してくれるのもとても便利なので一見最強に思えるのですが、最大の弱点として一時的に寸法データを表示してくれるツールですので表示データの保存が効きません。

つまりCADファイルを開き直すと、寸法データが記憶されずリセットされてしまうので、Partベンチを使った寸法データによる作業再開は不可です。

とはいえ、一時的に寸法データを表示させながら作図するのには重宝しますので、大切な寸法データはDraftベンチで記入し、重要ではない寸法はPartベンチの寸法ツールに表示されるように使い分けるとよりベターです。


まとめ

今回はFreeCADの寸法記入に関して、3通りの方法をざっと紹介してみました。

FreeCADで厳密に『寸法記入』と言えるのは、Draftベンチでの記入方法であること意識しながら、その他のワークベンチでの寸法記入方法も適宜切り替えて使うとより効率的な3Dモデリングが可能になると思います。
記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

電子工作を身近に知っていただけるように、材料調達からDIYのハウツーまで気になったところをできるだけ細かく記事にしてブログ配信してます。