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2024/06/18
初心者向け3Dプリンター『Creality・Ender-3』のノズルお手入れ・交換
3Dプリンターでオネジ・メネジの嵌め合い形状に適したクリアランス値を評価する
前々から気にはなっていた Ender-3用ダイレクトドライブ拡張パーツキット おもむろに購入してみたので、とりあえずセットアップしてみました。この拡張パーツの利点を掻い摘んで列挙しますと、などがあるようです。現在、Amazonなどで購入可能であるため入手性は良いものの、日本語でのセットアップマニュアルの資料があまりなさそうでしたので、とりあえずこの記事で手持ちのEnder-3に取り付けた際の記録として残しておきます。
Ender-3 Ender-3用ダイレクトドライブ拡張パーツキット テフロンチューブカッター Ender3向けベルトテンショナー(X軸用) Ender-3用ダイレクトドライブ拡張パーツの組立・セットアップ
梱包を解くと以下のような内容のパーツが工具とセットで入っています。当然、エクストルーダー用のステッピングモーターは入っておりませんので、ご注意ください。エクストルーダーの分解
取り外し前のEnder-3のエクストルーダーの状態も確認しておきます。通常の工場出荷時のEnder-3のエクストルーダーは、本体フレームの一つに固定された状態になっています。ではまずこのエクストルーダーを本体から外す作業に取り掛かります。数カ所でネジ止めされているクランプの可動する方を取ります。フィラメントの押出ギアの状態も確認しておきましょう。このギアもだいぶ擦り減ってきていますが、完全に歯が擦り切れるとフィラメントが決まった長さに押し出せず、上手く印刷できない原因になります。印刷が上手く行かないと感じたら、かならず新品の押出ギアに交換しましょう。押出ギアの交換はイモネジで2点留めされているだけなので、簡単に取り外しできます。交換する際には、軸に留める位置に注意してください。まだ十分に使えそうなら押出ギアは取り外さなくてもOKです。ステッピングモーターを留めていた残りのボルトの外します。取り外したモーターと固定ホルダーは拡張パーツへ再び取り付けて使います。ノズルヘッドユニットの分解
ノズルヘッドユニットはベースの部分をエクストルーダー拡張パーツと交換になります。とりあえず分解前の状態を確認しておきましょう。それでは、冷却ファンユニットを外し、邪魔にならない位置に避けておきます。さらにボルト留めしてあるヒーターノズルユニットを外します。この残ったベースパーツの部分がエクストルーダー拡張パーツと交換になります。このベース部品は下部でベルトを挟み込んで留めている構造になっているため、一旦ベルトを外す必要があります。そこで一旦ベルトの張りを弱めるためにベルトテンショナーの調整ボルト2本を緩め、ベルトも緩めます。ベース部品のベルト取り付け溝からベルトを出して、本体から外せば完了です。エクストルーダー拡張パーツのセットアップ
ここから拡張パーツの組み立てのスタートです。まずは部品の組み立てですが、Ender3シリーズの型式によって取り付け穴が違うので、お手元のEnder3のモデルをよく確認してからボルト留めしましょう。下の図の例でいうと、Ender3 Pro
の場合に使う穴同士を勘合させています。2つのパーツを勘合・固定すると以下のように組み立てられるようです。次に上の説明の際に取り外したエクストルーダー用のステッピングモーターを取り付けます。ステッピングモーターは分解した逆手順で取り付ければ良いだけですが、一点だけ違うところは、バネ調節ネジをエクストルーダー拡張キットに付属している六角ボルトに置き換えてつかうようにします。これはもともとついていたバネ調節ネジを使うと工具でアクセスできなくなるためで、付属の六角ボルトに置き換えることで側面から六角レンチで調整することができます。なお、先にこの六角ボルトを穴にセットすると、接近した位置にある固定ホルダー用のボルトが干渉して入らなくなるため、先に固定ホルダー用のボルトを入れておきましょう。この状態で拡張パーツにステッピングモーターを固定します。クランプ用のバネを戻します。次に可動部分のクランプを取り付けると拡張パーツの組み立ては完了です。では本体に組み付けてみます。以下の図のように水平フレームにガイドローラーがスムーズに動かせる位置に載せ、締め付けネジを留めてフレームに固定します。次にベルトをセットします。パーツの下部にあるベルト取り付け溝にベルトの両端を挟み込ます。ベルトを溝に挟むときには、ベルトの裏表方向に気をつけましょう。ベルトを取り付けたら、ベルトテンショナーで適正な張り具合に調整します。ベルトの張りは手で調整するためメーカーが推奨するような正確な張力は分からないのですが、個人的には「張りすぎず緩みすぎず」
程度の感覚で張っています。ベルトの張り具合が弱いと印刷物の加工後の寸法精度が悪かったり、逆に強すぎるとステッピングモーターやギヤ・ベルトの寿命を縮めるため、再セットアップするときには気を遣うポイントになります。なお、こういう手動のベルトテンションのセットアップ作業が面倒に感じた場合、調整ノブ一つですぐに張り具合を最適化できる Ender3向けベルトテンショナー(X軸用) などのアップグレードパーツを使うのもアリです。次にヒーターノズルユニットから引き出すテフロンチューブの長さを調整します。こちらも適正長さはEnder3のモデルごと、テフロンホースの継手コネクターの形状によっても若干異なるので、最適な引き出し長さの微調整が必要になります。手元のEnder3 Proだと15mm程度でいけそうな感じでした。なお、テフロンチューブをカットする場合、綺麗な断面を作るのにニッパーだとどうしても潰れてしまうので、専用の テフロンチューブカッター があると便利です。テフロンチューブの引き出し量を最適化したら、ヒーターノズルユニットをエクストルーダー側に取り付け固定します。最後に冷却ファンユニットを取り付けたらエクストルーダー拡張パーツのセットアップ完了です。
Ender-3 Ender-3用ダイレクトドライブ拡張パーツキット テフロンチューブカッター Ender3向けベルトテンショナー(X軸用) まとめ
以上、今回はEnder3シリーズ向けのエクストルーダー拡張パーツの取り付け手順を図解していきました。なお、拡張パーツの取り付け前後で実際の3D印刷をしてみて思った感想では、「印刷精度が若干向上してそう」「エクストルーダーの振動・駆動音が若干抑えられてそう」...と感じました。もう少し定量的な比較評価ができれば良かったのですが、エクストルーダーのギアを新品に変えたり、ベルトのテンションを再調整したりなども途中で行ってはいたので、そちらの影響もある気もします。最近のEnderシリーズのみならず、他のメーカーの3Dプリンター製品でもダイレクト方式(ヒーターノズルとエクストルーダーが一体化している構造)が主流になっているため、やはりこちらの構造のほうが工学的優位性のあるものだと推測されます。クラシックなEnder3を2000円弱で構造アップグレードできるのはとても有り難いと感じました。