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2024/02/22
【FreeCAD初心者ガイド】Curvesワークベンチで自由曲面へパンチングパターンを作成する
【FreeCAD初心者ガイド】Draft&Partワークベンチを使って面を面で切り取るときのワンポイントアドバイス
FreeCADの主な作図方法には、主流な方法である『Part Design/Skecther』ワークベンチを利用して作業を進めていくものと、少し扱いにコツの要る『Draft/Part』ワークベンチを利用して作業するもの、そして適宜この2つのやり方を混ぜながら製図していくパターンの3つの方法があるかと思います。特にDraftワークベンチをメインに3Dモデルを作っていくと、同一平面上に複数のフェイス(面)が重なって存在しているケースも多いでしょう。この状態は、できるだけ早い段階で「フェイスを単一の閉領域化」しておかないと、後工程で苦労する場合があります。また、複数のシェルを結合処理した場合にも、結合したシェル内部に余分なエッジやフェイスが存在している状態もよくあります。この状態も後々残しておくと、割と厄介で、シェルのソリッド化や他の操作で処理がコケる原因となるリスクもあります。今回は、このような結合したフェイスやシェルに残る、「ゴミエッジ・ゴミフェイス」のお掃除のやり方を紹介します。
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まず面の重複部分のゴミ取りの前処理として、Fusion図形
として対象のフェイスをまとめる必要があります。Fusion図形
は、Draftワークベンチで作図したフェイスを基にして、Partワークベンチの[結合]
ツールから1つの図形としてまとめたものです。もともとPartワークベンチの結合
ツールはソリッド同士の結合を想定されているものなので、フェイスやエッジに適用すると、以下のような警告がでますが、ここでは無視しても構いません。で、このFusion図形
をPartワークベンチで作っておいてから、再びDraftワークベンチでの作業に移ります。まず簡単な重複平面だと、[Draft] > [Upgrade]
ツールによって、閉領域内に存在しているエッジを自動で取り除くことができる場合があります。ただし、アップグレードツールは万能ではなく、より複雑な重複をもつフェイスでは、全く上手く行かない場合もあります。例えば、内部に切り抜きのフェイス形状が複数重複している場合などが考えられます。こういった場合にはダウングレード
を2回行うと上手くいきます。ということで、下のような少しいじわるな形状でも、上記のやり方のどちらかを行えば、おそらくゴミエッジを自動でスッキリと取り除くことが可能となるでしょう。それでもなんらかの理由で、アップグレード・ダウングレードツールが合成計算不能、とエラーを吐き出す場合もあるかもしれません。その場合には面倒ですが、最終手段として、一旦すべてのフェイスをエッジになるまでダウングレード
してから、手動でゴミになるエッジを削除し、ゴミエッジがなくなったら再度フェイスになるまでアップグレード
を繰り返す方法を行うと良いでしょう。まとめると、
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先程は結合後に重複のあるフェイスから余分なエッジを取り除く方法を解説していました。同じように考え方の次元を一つ上げて、シェルやソリッドを結合したあとに空間的に重複したフェイスを除去する方法も検討してみましょう。Draftワークベンチベースで3Dモデルを作り込んでいく過程で、別のシェル同士を何気なく結合させると、しばしば結合後にシェル内部にフェイスがめり込んだまま残される状態になることがままあります。例えば、上の図のように、この場合、単一の閉空間をもつシェルとしては扱われず、複数のシェルが重なり合うものを1つのシェルとみなしているだけになっています。ということで、立体内部に存在している無用なフェイスを削除していきたいわけですが、作業をやる前に気にかけたいのが、「元図形が"シェル"なのか"ソリッド"なのか」を確認しておくことが重要になります。見た目は同じでも、(中身の詰まっていない)シェルの結合と、(中身が埋まっている)ソリッドの結合では、結果が異なります。シェルかソリッドかの確認は、Partワークベンチの「幾何形状のチェック」
ツールを使うと確実です。まずはソリッドの場合
で結合するケースを試してみましょう。ソリッド同士の結合において、まず内部に余分なエッジやフェイスが残ることはありません。ソリッドの場合、自身の閉空間を物体の詰まっている「バルク」として認識しているため、ソリッド同士の結合もまた、新しくできた閉空間を「バルク」として認識するソリッドが生成されるためです。Part Designワークベンチを使うモデリングだと、ソリッドが主体となって作業が進みますので、不要なフェイスやエッジが立体物の中に残留する「ゴミ」をあまり経験されるかたも少ないでしょう。対して、シェルの場合
で結合するケースには十分注意が必要です。先程のソリッドをシェルに変換したものを結合させてみます。すると、このシェル同士の結合を実行した場合、エラーが発生してモデル自体が壊れてしまいした。先程も説明したように、Partワークベンチの結合
ツールはソリッド以外では動作が保証されていないためです。ということで、シェル同士の結合は一旦、すべてソリッドにアップグレードして、すべてを結合させたあとで再びシェルにダウングレードすると「内部ゴミ」は発生しないのです。ソリッドでも内部のゴミフェイスが問題となってくるのは、スケッチからの押出を繰り返すうちに同一平面が無駄に分割されてしまうときです。例えば下は円のスケッチで4回上に押出しした円筒のソリッドです。本来であれば円筒側面は1つのフェイスで良いところ、無駄に4つのフェイスに分割されています。このゴミフェイスを効率よく修正するテクニックがPartワークベンチの形状を高精度化
ツールです。通常はメニューから[パート] > [コピーを作成] > [形状を高精度化]
で重複のあるソリッドかシェルに適用します。例によって、この方法も適用するケースによっては必ずしも満足のいく結果になるとは限りません。もしもこの[形状を高精度化]
ツールで、自動で除去できないゴミフェイス形状がある場合には、最終手段として、手動でPartワークベンチのシェイプビルダー
などのツールを使って、コツコツフェイスを修正するしかないかもしれません。
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以上、FreeCADでの細かいテクニックでしたが、シェルとソリッドの違いを知っているのと知らないとで、最終的なFreeCADのファイルサイズに大きな差が出てきます。特にパーツ数が極端に多くなるアッセンブリとしてまとめたファイルでは、スリム化しなければ数百MBのサイズに膨れ上がるのもザラにあります。あまりにもファイルサイズが大きいと、よほどのパワーマシーンでも無い限り、処理負荷が高く、作業効率も極めて悪くなります。そういった場合には、必要最小限のシェルやソリッドだけで構成し、極力ファイルの肥大化を防ぐのに今回のテクニックは結構重要になります。