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2020/10/07
弊社の別事業で利用するカスタマイズした研究用自作LEDライトを現在誠意作成中です。もちろんPWM制御付きや保護機能付きの高機能な定電流LEDドライバICでも一石40円程度で手に入りますが、単に光らせたい程度であれば手持ちのディスクリート部品だけでも十分単純なLEDドライバが作成できます。今回は日亜化学の大出力白色チップLED・NSSW157Tを好きなだけ光らせたいがための自作LEDドライバの回路をテストするまでの解説記事です。
KKHMF 5A大電流定電圧電流LEDドライバー 2個 HiLetgo 出力3W相当LED定電流ドライバー 5個セット ピンソケット詰め合わせパック デジタル照度計・温度計&照度計一体化 最大200,000Lux 始める前の注意事項
なおLEDドライバはそれなりのLEDの数を光らせたいとなるとパワフルな電源ユニットも必要になってきます。大体電気回路の実験段階では電線が剥き出しまま使ってしまって、作業中気付かない内に電線のテンションで捻れてそのままどこかの配線が接触しショート...してしまうとえらい事故になってしまう可能性も否定できません。今回の記事において過電流やショート時の保護回路までの内容は含みませんので、お手元で試す場合には一切の責任は負いかねますのでご了承ください。
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日亜化学の大出力白色チップLED・NSSW157Tはチップ単体で8.5[cd](If=80[mA])の出力を誇る超高輝度白色チップLEDです。テレビなどのバックライト照明に利用できるほど明るいのに、秋月電子のサイトで一石あたり10円で入手することのできる超お得なLEDです。※ただし色座標等のランクはユーザー側で選べませんのでご注意ください。在庫状況にもよりますが大体6500K程度の寒白色チップが届くようです。ランクはともかくとしてデータシートを確認すると、大体100mA程度の順電流で光らせたい場合には、3.2-3.3Vの順電圧が印加されているような特性曲線になるようです。今後の回路拡張のために、今回もLTSpiceを使ってモデルを作ってから大体のLEDドライバの実測評価を行う流れになるのですが、NSSW157TのSpiceモデルがないので、既存の代替モデルを探すところから始めます。手元で探せる範囲で使ってみた結果からいうと、LTspice Wiki - standard.dioの中に収録されているLuxStarW1w
というパワーLEDが直ぐに出てくるモデルの中では一番まともな特性曲線であるように思います。モデルだけ抜粋すると以下の部分です。LTSpiceでの簡単なdc特性をシミュレーションしてみると、以下のように3.2V付近で100mAの順電流が流れているような程度は再現しています。
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LEDドライバでは定番とも言えるバイポーラトランジスタを使った定電流+カレントミラー回路で組んでみます。NSSW157Tの順電流は150mAまでなら十分実用に耐える仕様ですが、寿命や発熱の観点から100mA付近での利用を考えております。今回のLEDドライバ回路に用いるバイポーラトランジスタですが、大体余裕を持って200mA以上のコレクタ電流を流せるNPN型ならなんでも良いのですが、手持ちの関係で大量に在庫している2SC2120-Y
を利用するようにしています。このバイポーラトランジスタのLTSpiceモデルに関しては以前の記事・バイポーラトランジスタの基本特性をシミュレーションしてみるの中で検討していますので、参考にしてみてください。【LTspice】バイポーラトランジスタの基本特性をシミュレーションしてみるバイポーラトランジスタの2SC1815と2SC2120を例に基礎特性LTspiceでシミュレーションする手順を検証していきます。
ということでLTSpiceモデルは以下のような回路を試します。パスコンとしてC1を入れていますが、今回は高周波ノイズの影響を受けるような部品がないので無くてもOKです。電源は12VDCを利用します。NSSW157Tの消費電力は一個あたりで大きくても0.5W程度ですが、同一回路でLEDの数を増やしていくとそれなりの出力の電源が必要です。さて、この回路のD1のシミュレートした順電流は以下のようになりました。大体100mA狙いで光らせようと思った場合には、R1=6.5[Ω]程度の挟んでおくとちょうどなくらいでしょうか。この辺はあまり微調整しても手持ちの抵抗がない場合が多いので大雑把に合わせておきます。ところで、この抵抗R1は定電流回路の制御電流量を決める役目を担っています。今回の試作回路では1/4Wのカーボン抵抗でも事足りるのですが、制御電流が大きくなってきて発熱量も気になり始めたらもっとタフなセメント抵抗に変える必要があります。
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上の即席LEDドライバ回路をブレッドボード上で組んでみて実際どの程度光るかを試してみます。LEDチップの即席ハンダ付け
NSSW157Tのデータシートを見ると、LEDチップのフットプリントは小さく割れやすいので、ハンダ作業時に潰さないようにデリケートに扱う必要があります。本来はしっかりしたプロト基板に貼り付けたいのですが、光るかどうかだけのテストであれば以下のようにピンヘッダに貼り付けて使うとブレッドボード上でも扱いやすいです。LEDドライバでの照射測定
制御抵抗を6.5[Ω]に出来るだけ寄せるつもりでしたが、結局手持ちのカーボン抵抗をパラで繋いで組み合わせてみて、7.2[Ω]とちょっと高めのものしか用意出来ませんでした。若干ダイオードの順電流は低めに抑えられますが、点灯させると割と明るいです。テスターで回路図上でD1としていたLEDの順電圧の実測は2.85V
でデータシートの特性表に従うと20-30mVは流れてそうです。実際の5cm程度の直射距離の照度は2000Lx程度しか無く、流せる順電流にはまだまだ余裕があるのですが、明るさの制御に微調整を伴うようなら100Ωの多回転式の半固定ボリュームを利用して電流量を調整するものアリかもしれません。用途にもよりますが半固定ボリュームは単体でも結構なお値段なので、LEDドライバを量産するなら制御抵抗用に1 ~ 10Ωの小さめのバリエーションで固定抵抗を購入する方がコストを抑えられるとおもいます。
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今回は自作のシンプルなLEDドライバで2連にしたLEDチップを光らせるだけを試しました。12V電源だと3連までなら直列で光らせることができますが、それ以上のLEDになるとドライバ回路の拡張が必要になります。この辺の内容はまた今後の記事で開発の経過をお知らせできたら良いと思っている次第です。