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2022/04/12
卓上のCNCでPCB基板を削ってパターン出しを行う場合、片面の銅基板だけなら考慮する必要が無くとも、両面加工ではどうしても「裏表の位置合わせ」が課題になってきます。今回は両面加工の裏表の位置合わせを手軽に行えるような加工補助ジグを3Dプリンターで作れないかを試作・検討してみたいと思います。
KiCadではじめる「プリント基板」製作 (I・O BOOKS) CNC 3018-PROルーターキットGRBLコントロール3軸 Ender-3 高精度コレットチャック ER11A Genmitsu ER11精度 スプリングコレットセット 15セット PCB基板用超硬マイクロドリルビット uxcell 超硬PCBエンドミル3.175シャンク 5本セット SainSmart Genmitsu エンドミルCNCルータービット10個入り 両面加工用ジグを3Dプリンターで試作
格安の卓上CNCの殆どは3軸加工ですので、自動で裏表を同時に加工することは不可能です。まずは3軸加工の場合、両面加工をするために「正確にひっくり返す」とはどのようなことなのかを考えてみましょう。要するに、加工する両面をあわせ鏡のようにパターンを配置したい場合、裏表で加工ツールのXY原点が一致しているのが理想です。図で示したように、ここでの「ひっくり返す」という操作には主にニ通りを指しており、回転対称軸①として180度回すか、回転対称軸②で180度回すかを物理的に可能にしよう、ということです。このどちらかで正確に回転させたということを確認できれば、表面のパターンに対して、どのようなパターンを裏面に切削すると良いかが判断することができます。この正確にひっくり返すことは、CNC加工でいうと特にビア穴のような両面のパターンの位置が一致していないといけない加工に非常に重要な操作になります。通常は、マーカーなどでパターンの表面座標を予め決めておき、加工の都度そのマーカーでXY加工原点をアラインメント位置修正ということを行うのですが、著者の卓上CNCの場合、この作業がツールとマーカーを目分量でだいたい決めていたのをもう少し楽にできないものかと思い、実用になるかどうかは不明なものの、ある程度使える「両面加工ジグ」を作ってみよう!、という話のネタです。
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ジグはより正確な寸法で金属加工すると理想だったのですが、個人レベルで直ぐに加工できるようなものでもないので、ここは3Dプリンターで妥協します。コンセプトとしては、裏表をひっくり返す時に、CNCに簡単に脱着できるような仕組みを取り入れたいので、以下のようなジグを試作してみます。まずは表面の加工をするためのセッティングとして、両面銅基板を青色の基板ホルダーにセットし、黄色のベースホルダーと2つの押え板でサンドするように固定します。表面のパターン加工が終わったら、裏面を加工するために以下のようにひっくり返します。このとき、基板ホルダーのフレームの溝で基板を押さえるので、2つの押え板は不要でそのままベースホルダーとボルトで締結させてCNCに固定する感じに使います。このジグで重要になってくるのは、やはり各パーツが寸法公差の遊びなく、きっちりと勘合するように出来るがが、ひっくり返した際の裏表の表面のXY座標のズレに影響してきます。とはいえ、所詮は3Dプリンターの出せる精度というのはたかが知れているので、後は手直しで何処まで対応出来るかが使えるか使えないかのポイントとなってくるように思います。
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では先程の3Dモデルを実際の印刷物で確かめてみます。以下の写真は3dプリンターから出力した直後です。この時点ではほぼ寸法公差には収まっているはずもないので、どの寸法も不正確な精度だと思っておいたほうが無難です。これらの部品がきっちりと勘合するように追加で加工していきます。追加工とはいっても、まぁ趣味の範囲なので、棒ヤスリ、ペーパーヤスリ、ドリルやハンドリューターなどで寸法の甘いところを手動で削り出します。各パーツがピタッと嵌め合わすことが出来たらOKでしょう。出来たらとりあえずこれをCNC側にセットしてみます。まずは表面から固定してみた感じです。で加工したつもりになって、裏面をクルリンパしてみます。ズレがなければ回転対称の軸を中心にXY座標がある程度揃っているはず...です。今回はキリが良いので、ここまでとさせて頂いて、次回はドリル加工で両面の加工位置がどれくらいズレているのかを確認していきます。
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今回はCNCでPCB基板を両面加工する際に役に立ちそうな補助ジグの試作を解説してみました。次回以降で、この試作ジグの評価を中心に解説してみます。