[FlatCAM導入] FlatCAM 8.9(Beta)をmacOSXにインストールする
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2020/10/11
卓上CNCを楽しむのに欠かせないのが基板のCADから切削加工用のg-codeを出力してくれるCAMソフトです。
今回は高性能でありながら無償で利用できるCAMソフト・FlatCAMのベータ版をmacOSXへ導入する手順をまとめてみます。
FlatCAMのベータ版のLinuxOSへの導入手順はこちらの記事を参考にしてください。
FlatCAMのベータを利用する
まずはFlatCAMの最新ベータ版を
#とりあえずDownloadsで作業
$ cd ~/Downloads
#Homebrewのアップデートとユーティリティをインストール
$ brew update && brew pyqt wget
#現在のFlatCAM 8.9系(最新のベータ)をダウンロード
$ wget https://bitbucket.org/jpcgt/flatcam/downloads/FlatCAM_beta_8.933_sources.zip
#解凍
$ unzip FlatCAM_beta_8.933_sources.zip
#解凍したフォルダをアプリケーションに移動
$ mv FlatCAM_beta_8.933_sources /Applications/FlatCAM_beta_8.933
ひとまずFlatCAMのフォルダでの作業は保留しておいて、python周りの設定を先にやっていきましょう。
pyenvでtcl-tkの動作確認
FlatCAM8.9はpyqt5/tcl-tk8を利用したアプリケーションになりますので、どちらのライブラリも正常に動くかどうかを確認しておく必要があります。
ただし、tcl-tkより先にpyenvからpythonを入れてしまうとシステムのライブラリリンクの整合性が取れなくてエラーが出る時があります(
$ pyenv versions
system
* 3.8.6 #👈すでにインストールされているバージョン
#一旦アンインストール
$ pyenv uninstall 3.8.6
#homebrewでtcl-tkをインストール
$ brew install tcl-tk
#python3.8.5をインストール
$ pyenv install 3.8.6
さてFlatCAMを正常に起動させるには環境変数の設定が重要です。 きちんと
.zshrc
以下は一例ですが、TkinterやFlatCAMが正常に立ち上がらない場合など、設定に何か不足していないか設定ファイルをよく確認して、編集しておきましょう。
$ cat ~/.zshrc
#Python; pyenv
export PYENV_ROOT=$HOME/.pyenv
export PATH=$PYENV_ROOT/bin:$PATH
export PATH=$HOME/.pyenv/shims:$PATH
export PYENV_SHELL=bash
#pyqt5(Homebrewで導入したもの->現在の手元の環境では5.15.1)
export PATH=/usr/local/Cellar/qt/5.15.1/bin:$PATH
export PATH=/usr/local/Cellar/pyqt/5.15.1/bin:$PATH
#Tk/Tck(v8.6の場合)
export PATH="/usr/local/opt/tcl-tk/bin:$PATH"
export LDFLAGS="-L/usr/local/opt/tcl-tk/lib"
export CPPFLAGS="-I/usr/local/opt/tcl-tk/include"
export PKG_CONFIG_PATH="/usr/local/opt/tcl-tk/lib/pkgconfig"
export PYTHON_CONFIGURE_OPTS="--with-tcltk-includes='-I/usr/local/opt/tcl-tk/include' --with-tcltk-libs='-L/usr/local/opt/tcl-tk/lib -ltcl8.6 -ltk8.6'"
次に先ほどダウンロードしておいたFlatCAMのフォルダで作業します。
$ cd /Applications/FlatCAM_beta_8.9**
$ pyenv local 3.8.5
$ pyenv versions
system
2.7.13
* 3.8.5 (set by /Applications/FlatCAM_beta_8.993/.python-version)
$ python -V
Python 3.8.5
$ python -m tkinter

tcl-tkが動いたら動作確認OKです。
python packages
それでは
FlatCAM.py
#👇requirments.txtからインストール
$ pip install -r requirements.txt
#もしくは最低限動作させるモジュールを個別インストール
$ pip install pyqt5 simplejson shapely reportlab \
svglib vispy pyopengl rtree matplotlib rasterio \
ezdxf svg.path fontTools ortools qrcode dill
好みの問題かもしれませんが、requirements.txtも余分なモジュールがそのまま残っている場合があるので、余計な容量を多少削る程度ですがpipで必須モジュールの個別インストールをしても良いと思います。
全てのインストールが完了し下ごしらえが終わったらFlatCAMを立ち上げてみましょう。
$ python FlatCAM.py

ベータだけあって開発中の機能もありますが、大体これまでのバージョンのやり方で利用できると思います。
まとめ
今回はなかなかFlatCAMのアルファ版がpython3とpyqt5に対応しないので、ベータ版を利用して早めにそちらに移行したい人向けの内容になりました。
すこし設定が多かったりインストール手順が分かりにくいところもありますが、無事macOSXでもFlatCAM8.9-Betaが動作することが分かりました。
これからBeta版がきちんと問題なく動作するかを少しずつ検証していきたいといます。