【FreeCAD初心者ガイド】Curvesワークベンチ・テクニック集①〜曲線エッジで囲われた領域に曲面を張る


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2024/05/21
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以前の回で
「Curvesワークベンチ」の導入の話を紹介しました。

合同会社タコスキングダム|タコツボの中の工作室
【FreeCAD初心者ガイド】Curvesワークベンチで自由曲面へパンチングパターンを作成する

FeeCADで使える高度な自由曲面上3Dモデリングを可能とした「Curves」ワークベンチの使い方

Curvesワークベンチは、PartワークベンチやDraftワークベンチでもなかなかやると難しい操作を補うことのできる非常にハンディなツールが揃っています。

Curvesワークベンチの機能やユースケースは多岐にわたりますので、この記事では思いついたときに書き留めるようなスタンスで、使用例を短くまとめていくシリーズとして紹介していきます。

まずは、「分割されたエッジ(曲線も含む)を結合する」やり方と、「四方をエッジに囲われた領域に曲面を張る」やり方の2つを以降で説明していきます。


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JoinCurveツールで分割された自由曲線を1つにまとめる

CurvesワークベンチにはPartワークベンチでも操作のしづらい「曲線編集ツール」がいくつか存在しています。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

            ExtendCurve:
    選択したエッジを任意の長さで延長(補外)
JoinCurve:
    選択したエッジ・ワイヤーをBスプライン曲線に統合
SplitCurve:
    選択したエッジを任意の位置で分割
Discretize:
    エッジもしくはワイヤーから複数の点に離散化
Approximate:
    NURBS補間を使って複数の点から近似曲線を生成
Interpolate:
    Bスプライン曲線で複数の点を補間し曲線を生成
        
それぞれのツールで使う場面によっては非常に使い勝手いい機能があります。

とりわけソリッド同士のブーリアン操作などで、無駄に分割されたエッジやフェイスを手動で修復する際に良く利用するのが、
『JoinCurve』ツールです。

Curves JoinCurve

このツールの使い方には少々コツが要ります。

「JoinCurve」ツールの名前から少し混乱を招いてしまうかもしれませんが、「複数のエッジ・ワイヤーを直接結合して一つにする」のではなく、正しくは
「Bスプライン補間を使って中間分割点を取り除いたエッジ・ワイヤーに近似する」ことを意味しています。

例えば以下の図のように、端点が繋がった5つのエッジを一つの曲線に結合したい場合があるとします。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

そこで、このエッジをすべて選択し、CurvesワークベンチからJoinCurvesを適用すると、すべての中間分割点を通過する一つのBスプライン曲線のエッジが生成されます。

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ここからCurvesワークベンチから他のワークベンチでも使えるように通常のワイヤーに変換したい場合には、Draftワークベンチの
ダウングレードツールを適用することで、ワイヤーになります。

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同じ形状のエッジで、もう一例やってみましょう。

「JoinCurves」の真価は、無用な中間分割点を持つ曲線を、2つの端点だけを持つ"純粋"な曲線のエッジに変換してくれることに尽きます。

下のように1つのエッジ・ワイヤーの線分上に存在する中間分割点は、処理しないまま残しておくと、しばしばサーフェスモデリングを行っていく際に、意図としない欠陥につながることがあります。

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これをCurvesワークベンチに切り替えて、「JoinCurves」ツールを適用してみましょう。

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ワイヤーから無駄な中間分割点が消え、元の曲線とも寸分違わないような綺麗な曲線が生成されています。


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GordonSurfaceツールで曲面を張る

余計な中間分割点を削除したきれいな曲線ができたら、それらの曲線で囲われた領域に対して曲面を張ってみましょう。

その際に利用するのが
『GordonSurface』ツールです。

Curves GordonSurface

このツールは、曲線ネットワークに対して最適な曲面を作成することができます。

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曲面を張りたい閉領域に矛盾がない場合に、このツールを適用させると「ゴードン(Gordon)曲面」を生成することができます。

ちなみに「ゴードン曲面」とは、B-スプライン曲線の一般化であり、"B-スプライン曲面"とも呼ばれることもあるようです。

ゴードン曲面を生成する利点としては以下のようなことが考えられます。

            + 自由曲面の表現:
    制御点の集合から生成される曲面で、
    自由曲線や自由曲面を表現するのに適している。
+ 局所的な制御性:
    制御点の変更が曲面全体に影響を与えるのではなく、
    その近傍のみに影響する。
+ 連続性:
    曲面の連続性が保証される。
+ 幾何学的不変性:
    回転/平行移動/拡大縮小に対して不変である。
        
理屈的なことはさておき、「GordonSurface」ツールでとても柔軟かつ綺麗な曲面が張れることを覚えておくと損はないと思います。


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まとめ

今回は応用の幅の広い「Curves」ワークベンチの機能の一部である「JoinCurves」ツールと「GordonSurface」ツールの概要をまとめてみました。

DraftワークベンチでもPartワークベンチでも作成の難しい図形に有効な場面が多いので、ぜひ使い方をモノにしてみてください。

記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

電子工作を身近に知っていただけるように、材料調達からDIYのハウツーまで気になったところをできるだけ細かく記事にしてブログ配信してます。