[LTspice] Debian LinuxでLTspiceをインストールしてみる


※ 当ページには【広告/PR】を含む場合があります。
2020/07/03
【LTspice】サブサーキットファイルでのモデル追加 〜 LM358の場合

最近ご無沙汰だったLTspiceをDebian Linuxにインストールして起動させてみたときのハウツーをまとめます。


電子回路シミュレータ LTspice XVII 「基本操作・回路作成編」

LTspiceで動作を見ながらOPアンプ回路を理解する

LM358Nデュアルオペアンプ ノーブランド品 20個

Raogoodcx 15種2N2222〜S9018 NPN/PNPパワートランジスタキット

OSOYOO 電子工作基本部品セット

電子回路シミュレータ LTspice XVII 「基本操作・回路作成編」

LTspice

LTspiceは、無償でありながら有償のSPICEソフトウェアにも引けを取らないアナログ回路シミュレーターソフトです。

WIKIにもあるように、もともとはLinear Technology社が開発したフリーウェアだったものが、2016年に同社がAnalog Devices社に買収された後も、継続してAnalog Devices社のホームページからダウンロードして無償で利用することができます。なお2016年にリリースされたver.17が現行の最新版です。


電子回路シミュレータ LTspice XVII 「基本操作・回路作成編」

LTspiceで動作を見ながらOPアンプ回路を理解する

LM358Nデュアルオペアンプ ノーブランド品 20個

Raogoodcx 15種2N2222〜S9018 NPN/PNPパワートランジスタキット

OSOYOO 電子工作基本部品セット

電子回路シミュレータ LTspice XVII 「基本操作・回路作成編」

Linuxへの導入

残念ながらLTspiceはWindows向けかOSX向けにしかソフトウェアを提供していないため、Analog DevicesのWebサイトからWindosOS用のバイナリファイルをダウンロードするところから初めます。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

ダウンロードした
LTspiceXVII.exeはひとまず適当なフォルダを作って保管しておきます。

Wineのインストール

windows用のexe形式の実行バイナリをLinuxで動作させるのに一番手っ取り早いのが
wineです。Debianでは、以下のコマンドでwineがインストールできます。

            $ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install wine
#...インストール作業中略

$ wine --version
it looks like wine32 is missing, you should install it.
multiarch needs to be enabled first.  as root, please
execute "dpkg --add-architecture i386 && apt-get update &&
apt-get install wine32"
wine-4.0 (Debian 4.0-2)
        
これでDebianにwineが導入されました。途中、wine32を入れないといけないみたいな表示が出されます。

今回の手元のデスクトップではDebianOSは64bitアーキテクチャですので、コマンドラインでインストールされるのは
wine64です。

何も考えずにLTspice.exeを実行してます。

            $ wine LTspiceXVII.exe
it looks like wine32 is missing, you should install it.
multiarch needs to be enabled first. as root, please
execute "dpkg --add-architecture i386 && apt-get update &&
apt-get install wine32"
wine: created the configuration directory '/home/**********/.wine'
0012:err:ole:marshal_object couldn't get IPSFactory buffer for interface {00000131-0000-0000-c000-000000000046}
0012:err:ole:marshal_object couldn't get IPSFactory buffer for interface {6d5140c1-7436-11ce-8034-00aa006009fa}
0012:err:ole:StdMarshalImpl_MarshalInterface Failed to create ifstub, hres=0x80004002
0012:err:ole:CoMarshalInterface Failed to marshal the interface {6d5140c1-7436-11ce-8034-00aa006009fa}, 80004002
0012:err:ole:get_local_server_stream Failed: 80004002
0014:err:ole:marshal_object couldn't get IPSFactory buffer for interface {00000131-0000-0000-c000-000000000046}
0014:err:ole:marshal_object couldn't get IPSFactory buffer for interface {6d5140c1-7436-11ce-8034-00aa006009fa}
0014:err:ole:StdMarshalImpl_MarshalInterface Failed to create ifstub, hres=0x80004002
0014:err:ole:CoMarshalInterface Failed to marshal the interface {6d5140c1-7436-11ce-8034-00aa006009fa}, 80004002
0014:err:ole:get_local_server_stream Failed: 80004002
Could not load wine-gecko. HTML rendering will be disabled.
it looks like wine32 is missing, you should install it.
multiarch needs to be enabled first.  as root, please
execute "dpkg --add-architecture i386 && apt-get update &&
apt-get install wine32"
Could not load wine-gecko. HTML rendering will be disabled.
wine: configuration in '/home/**********/.wine' has been updated.
it looks like wine32 is missing, you should install it.
multiarch needs to be enabled first.  as root, please
execute "dpkg --add-architecture i386 && apt-get update &&
apt-get install wine32"
wine: Z:\home\*********\ltspice\LTspiceXVII.exe の EXE フォーマットが不正です。
        
...起動が失敗しました。

実際32bitOSならば問題ないのですが、現在は64bitOSが主流かと思いますので、LTspiceを動作させるには、
wine32を導入する必要があるようです。警告文の通りに、wine32をどうしてみます。

            $ sudo dpkg --add-architecture i386
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install wine32
#32bit用のライブラリがインストールされる
#...以下略
        
といくつかファイルがmissingしているような警告が出ますが、とりあえず無視しても良さそうです。再度、LTspiceを起動してみます。(エンコード指定を付けていますが、おまじないみたいなものです。

LTspiceの起動

            $ LANG='ja_JP.UTF-8' wine LTspiceXVII.exe
        
すると、最初にインストーラが起動してきます。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

とりあえず
[Accept] --> [x64(64bit)] --> [Install now]でwine内部でのインストール作業が開始されます。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

問題がなければ、インストールが完了したとダイアログが出ますので、OKします。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

すると、
LTspiceが起動します。

合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

さて、Ubuntuなどの他のLinuxOSではwineがスタートメニューからGUIで登録したアプリを起動できるようですが、Debianのパッケージインストールは依然としてCUI操作のみに対応しているようなので、起動は毎回コマンドを叩く必要があります。今回は
LTspiceが使えるようになっただけでも十分目的を達成したので、wineアプリとしてどこまで機能が使えるのかやりながら検証していきます。

wineのパラメータ設定

デフォルトではウィンドウの解像度が低くて操作画面が見にくい状態であったり、オーディオ未設定で音声が出なかたりするので、コンソールから以下のコマンドを叩いてみます。

            $ winecfg
        
合同会社タコスキングダム|蛸壺の中の工作室

という設定ダイアログからパラメータを設定してあげると解決するかもしれません。(もちろんwindowsで起動するそのままを再現するほどの効果は期待できませんが...)


電子回路シミュレータ LTspice XVII 「基本操作・回路作成編」

LTspiceで動作を見ながらOPアンプ回路を理解する

LM358Nデュアルオペアンプ ノーブランド品 20個

Raogoodcx 15種2N2222〜S9018 NPN/PNPパワートランジスタキット

OSOYOO 電子工作基本部品セット

電子回路シミュレータ LTspice XVII 「基本操作・回路作成編」

まとめ

以上、DebianのパッケージインストールしたwineでLTspiceを起動する方法を解説しました。

メニューにwineを追加して操作するなどのより使い勝手いい環境を求める方は、
UIでGnome ClassicにしたUbuntuでやられているような手順でLTspiceを導入することを考えてみられても良いかもしれません。
記事を書いた人

記事の担当:taconocat

ナンデモ系エンジニア

電子工作を身近に知っていただけるように、材料調達からDIYのハウツーまで気になったところをできるだけ細かく記事にしてブログ配信してます。